日本真空学会 2013年7月研究例会
主題「ガス放出測定の信頼性向上に向けて―求められる国際標準化への対応―」
材料からのガス放出は,真空システムを設計・製作する上で,基本となる重要なパラメータの1 つです.ガス放出測定は,
1960年代初頭に Redhead によって,昇温脱離法が開発されたことを皮切りに,コンダクタンス変調法,二流路法などの手法
が開発され,1990年代には,概ね測定方法が確立したと考えられます.そして,これらの手法を用いて,実に様々な材料に
対するガス放出測定が行われてきました.
さて今後,ガス放出測定が高度化・発展するとすれば,どのような方向に向かうのでしょうか.2002年には,アメリカ真空
学会(AVS)によって,「Recommended practice of measuring and reporting outgassing data(推奨されるガス放出データ
の測定・報告方法)」が報告されています.また 現在,ヨーロッパでは,European Metrology Research Programme(欧州計
量研究プログラム),IND12: Vacuum metrology for production environments(生産技術のための真空計量計測)という国際
プロジェクトが進行しており,ガス放出測定法の国際標準化に向け,研究が進められています.これらの目的は,いずれも,
“ガス放出測定の信頼性向上”,即ち,“再現性の良い,比較可能な値として,ガス放出速度や脱離の活性化エネルギーを測定
すること(さらに言えば定量化すること)”を目指すものです.
我が国には,ガス放出測定について,豊富な知見を有する多くの専門家,測定ノウハウ,膨大なデータの蓄積があります.
この研究会を期に,専門家間の情報交換を活発にして,今後の技術動向や国際標準化の流れに対して,どのように対応してい
くべきかを考えるきっかけとしたいと思います.同時に,これからガス放出測定を行おうとする方々にとって,これまで蓄積
してきた測定・解析手法やノウハウ,測定データを概観できる機会となれば幸いです.
案内(PDF 169KB)
日 時 2013年7月3日(水) 13:00〜16:50(受付12:30〜)
会 場 機械振興会館 地下3階 B3-1号室
東京都港区芝公園3-5-8 http://www.jspmi.or.jp/kaigishitsu/access.html
電話03-3431-4395(日本真空学会)
講演プログラム<各講演40分(質疑応答込)>
開会の挨拶 イントロダクトリートーク (産業技術総合研究所) 吉田 肇 13:30〜13:10
1. ガス放出測定
(高エネルギー加速器研究機構) 小林 正典 13:10〜13:50
2. 真空工学とその応用のためのガス放出測定
((株)アルバック) 稲吉 さかえ 13:50〜14:30
― 休憩 ―
3. 鉄鋼分野におけるガス放出測定
(物質・材料研究機構) 秋山 英二 14:45〜15:25
4. 分析分野におけるガス放出測定
(電子科学(株)) 平下 紀夫 15:25〜16:05
5. 表面科学におけるガス放出測定
(東大生研) 小倉 正平 16:05〜16:45
閉会の挨拶 (日本真空学会 講演・研究会企画委員会委員長) 佐々木 正洋 16:45〜16:50
参加費(当日会場にてお支払いください)
日本真空学会会員,協賛学協会会員 2,500円(予稿集代を含む)
非会員 3,500円(予稿集代を含む)
学 生 無 料(予稿集500円)
問い合わせ先
一般社団法人 日本真空学会 TEL 03-3431-4395 FAX 03-3433-5371
e-mail ofc-vsj@vacuum-jp.org URL http://www.vacuum-jp.org
本件担当
一般社団法人 日本真空学会 講演・研究会企画委員会(産業技術総合研究所) 吉田 肇
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