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真空夏季大学真空応用技術講座 2017年
2017年9月1日 @ 13:00 - 18:00
真空夏季大学真空応用技術講座
日本真空学会が半世紀にわたって開催して参りました真空夏季大学は,真空工学の基礎を系統的に学ぶことのできる場として高い評価をいただいております.しかしながら時間的制約のために,真空夏季大学のカリキュラムの中により発展的な分野・応用分野を取り入れることは困難な状況であり,日本真空学会会員や真空夏季大学受講生の皆様からは,応用技術分野についての講義に対するご要望をいただいておりました.
このようなご要望にお応えするため,2006年より真空応用技術講座を企画・開講して参りました.この講座では,それぞれの分野の基本の理解を深めるとともに,実践のための実力を養うことを目的として,少人数によるセミナー形式の講義を実施しております.本年度は「真空夏季大学」の終了後,下記の三講座(A,B,C)を並行して開講し,続いて90分の一講座(D)を開講いたします.
- (A) 「プロセスプラズマの基礎」 岡本幸雄講師(東洋大学名誉教授)
- 日 時: 2017年9月1日(金)13:00~16:15
プラズマを用いた次世代のエッチングやデポジションなどのプラズマプロセスにおいては,制御された低温・高密度・高均一・大面積などの特性をもったプラズマが必要になっている.このためには,プラズマの基本的な性質をはじめその生成法や制御法および診断法などの基本的なことを理解していることが不可欠となる.
本講座では,①プラズマの基本的な事柄であるプラズマの性質,デバイ長やプラズマ周波数などの基本的な物理量,電磁界中の荷電粒子の運動,イオンシース,負イオン,ラジカルについて簡単に復習するとともに,②プロセスに用いられている各種プラズマ(容量と誘導結合,電子サイクロトロン,表面波,マグネトロン,大気圧バリア放電,マイクロプラズマ)の生成原理と実際および長所と課題について,そして,③プロセスで不可欠なラジカルなどの生成・制御のための電子温度の制御法について,さらに,④ラジカルや電子のエネルギー分布などプラズマの主な計測法について解説する.
- (B)「真空システム」 高橋主人講師(元大島商船高等専門学校)
- 日 時: 2017年9月1日(金)13:00~16:15
実用真空システムにおける課題に,立上げ時間(真空排気)の短縮が挙げられる.短時間で真空排気するには水分子の挙動を理解し制御する必要がある.さらに,大気から真空環境まで試料を搬送する過程においても,水分子を考慮した真空排気が必要になる.超高真空システムでは,水分子はほぼ除去され材料内部のガス分子を排気することになる.これらの現象は吸着・吸蔵ガスの除去に関連した真空容器表面の清浄化であり,実例を挙げて紹介する.半導体などの製造装置では微粒子(異物)の低減も重要な課題である.真空中の微粒子の挙動について紹介するとともに,金属汚染や異物低減の観点から見た材料表面の清浄化について解説する.
- (C)「圧力分布計算ソフトウェアMolFlow+講習」 谷本育律講師(高エネルギー加速器研究機構)
- 日 時: 2017年9月1日(金)13:00~16:15
近年のパソコン性能の向上により,3次元真空容器内での複雑な気体分子運動も手軽に高い精度でシミュレーションすることが可能となってきている.本講習ではモンテカルロ法によるシミュレーションソフトウェアMolFlow+を用いて,分子流領域における容器内の圧力分布や非円形導管のコンダクタンス計算,真空機器配置の最適化など,実際の真空装置設計に役立つ手法をstep-by-step方式で解説する.MolFlow+は欧州原子核研究機構(CERN)において現在も開発が進められており,英語版のみであるが http://molflow.web.cern.ch にてフリーウェアとして配布されている.
(受講される方は,Vista以降の64bit版WindowsのノートPCにMolFlow+の最新版をインストールし,3ボタンマウスを持参の上ご参加ください.推奨環境: Windows10,メモリ容量2GB以上,画面解像度1440×900以上,MolFlow+ver.2.6.49以降,Microsoft Excel2010以降.企業セキュリティ等で当日ノートPCを持ち込めない場合は事務局までご相談ください.)
- (D)「非蒸発ゲッターコーティング」
間瀬一彦講師(高エネルギー加速器研究機構)
谷本育律講師(高エネルギー加速器研究機構)に変更になりました.
- 日 時: 2017年9月1日(金)16:30~18:00
最近加速器分野において,真空容器の内面に非蒸発ゲッター(non-evaporable getter,NEG)材料をコーティングして,容器全体を180°C程度で24時間ベークすることによって,真空容器の内面自体を真空ポンプにし,到達圧力を下げる技術が発展している.NEGコーティングは半導体やディスプレイ等の製造用真空装置,電子顕微鏡,光電子分光装置などの超高真空装置にも応用可能である.本講義では,NEGコーティングの原理,NEGコーティング法,NEGコーティングした真空容器の特性,応用例等について解説する.
これらの分野を基礎から研鑽したいと希望しておられる技術者・研究者の方々に是非ご参加いただきたく,ご案内申し上げます.真空夏季大学修了の方々には,引き続きこの応用技術講座の受講をご検討ください.また,日帰りにて応用技術講座のみを受講される方も歓迎いたします.
- 会 場
- 帝人アカデミー富士
〒410-1105 静岡県裾野市下和田656 Tel: 055-997-0111 http://teijin-academy.jp/
- 受 講 料 (資料代・消費税込)
- (A)「プロセスプラズマの基礎」,(B)「真空システム」,(C)「圧力分布計算ソフトウェアMolFlow+講習」
日本真空学会正会員 |
12,000円 |
日本真空学会法人会員に属する個人 |
15,000円 |
真空夏季大学協賛団体会員 |
15,000円 |
日本真空学会学生会員 |
10,000円 |
一般 |
20,000円 |
(D)「非蒸発ゲッターコーティング」
日本真空学会正会員 |
6,000円 |
日本真空学会法人会員に属する個人 |
7,500円 |
真空夏季大学協賛団体会員 |
7,500円 |
日本真空学会学生会員 |
5,000円 |
一般 |
10,000円 |
- 申込方法
- 申込みは終了しました.
申込受付完了後,請求書を発送しますので,お支払い手続きをお願いします.
本申込にて記入された個人情報は,一般社団法人日本真空学会が収集し,真空夏季大学の実施運営に利用します.本申込書に記載していただいたアドレス宛に今後日本真空学会が主催する講習会,真空技術者資格認定試験のご案内を送信させていただくことがあります.
なお,「受講者の都合による取り消し及び不参加」の場合,参加費の払い戻しはいたしません.ただし,参加者の変更は,差し支えありません.
- 申込締切
- 2017年7月28日(金)
- 定 員
- 各講義とも20名(先着順にて定員に達し次第締め切ります.)
- 問合せ先
- 一般社団法人日本真空学会 事務局
〒105-0011 東京都港区芝公園3-5-8 機械振興会館306号室
TEL: 03-3431-4395 FAX: 03-3433-5371 E-mail: ofc-vsj@vacuum-jp.org
- *開催案内(PDF)のダウンロード
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