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第64回応用物理学会春季学術講演会シンポジウム 2017年
2017年3月15日 @ 13:15 - 17:35
2017年第64回応用物理学会春季学術講演会シンポジウム
主題 「加速器・宇宙科学における真空技術の現状と展望」
ビッグサイエンスの代名詞でもある高エネルギー加速器や宇宙開発,重力波望遠鏡は,あまねく真空技術によって支えられている.例えば,電子,陽子,光子などの量子ビームや宇宙材料は周りの真空環境がその性能を大きく左右するため,加速器や宇宙機器には常に最先端の真空技術が求められ,プロジェクトの成功に向けた研究開発が進められている.そこで,ビッグサイエンスを支える真空技術を主題としたシンポジウム「加速器・宇宙科学における真空技術の現状と展望」を開催する.
加速器や重力波望遠鏡における真空チェンバーは量子ビームに最も近い機器であり,超高真空を維持するための低ガス放出特性に加え,耐放射線性や電気的,磁気的,熱的,機械的に優れた特性が求められる.さらに,近年の新世代加速器と呼ばれる高輝度放射光源や高ルミノシティ衝突型加速器では,ビームの究極的な高性能化(超低エミッタンス化,大電流化など)が要求されている.このため,新しい加速器の真空システムの設計や製作では,常に最先端の真空技術が採用され,また新技術の開発が行われてきた.具体的には,高精度な機械加工技術,放射光照射環境においても低ガス放出や低電子放出を実現できる表面処理技術やコーティング技術,詳細設計のための真空シミュレーション技術,滑らかな駆動機構やフランジ接合技術などである.また宇宙科学・工学分野でも同様に,当該分野の展開と歩調を合わせた真空技術の進歩が図られてきた.さらに,これらの開発によって得られた真空技術の成果は,加速器や宇宙科学のみならず,半導体製造を始めとする産業技術や基礎科学の発展にも大きく寄与してきた.
本シンポジウムでは,最新の加速器と宇宙科学のプロジェクトで研究開発に携わる方々の講演を通して,幅広い観点からビッグサイエンスを支える真空技術の現状を理解し,将来を展望する.
日 時: 2017年3月15日(水) 13:15~17:35
会 場: パシフィコ横浜 会議センター4階419(神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1)
※参加には,応用物理学会春季学術講演会への参加登録が必要です.http://meeting.jsap.or.jp/
世 話 人: 中村 健(産総研)*,吉田 肇(産総研),山田洋一(筑波大)(*代表世話人)
講演プログラム:
13:15~13:30 「はじめに;ビッグサイエンスの真空装置(15分)」(東大宇宙線研)○齊藤芳男
13:30~14:00 「宇宙用材料の耐環境性評価と開発」(宇宙航空研究開発機構)○後藤亜希,木本雄吾
14:00~14:30 「大型低温重力波望遠鏡KAGRA―重力波と真空技術―」(東大宇宙線研)○内山 隆,齊藤芳男
休 憩
14:45~15:15 「J-PARC RCS真空システム―高放射線下の真空技術―」
(原子力機構)○神谷潤一郎,荻原徳男,金正倫計,山本風海
15:15~15:45 「大型放射光の次期計画SPring-8-IIの真空システム」(高輝度光科学研究センター1,理研2)
○大石真也1,2,高橋 直1,2,小路正純1,田村和宏1,谷内友希子1,備前輝彦1,2,大熊春夫1
15:45~16:15 「SuperKEKB初期運転時の真空システム稼働状況」(高エネ研1,総研大2)
○末次祐介1,2,柴田 恭1,2,石橋拓弥1,2,白井 満1,照井真司1,金澤健一1,2,久松広美1
休 憩
16:30~17:00 「加速器用ビームダクトへのTiN コーティング」(高エネ研1,総研大2)○柴田 恭1,2,末次祐介1,2,石橋拓弥1,2,白井 満1,照井真司1,金澤健一1,2,久松広美1
17:00~17:30 「新世代放射光源におけるNEG コーティング技術の応用」(高エネ研)○谷本育律
17:30~17:35 「おわりに(5分)」(高エネ研)○本田 融
参加申込方法: 事前申込は終了しました.当日受付の詳細は応用物理学会春季学術講演会ホームページをご確認ください.
問合せ先: 応用物理学会 TEL: 03-5802-0861 FAX: 03-5802-6250
日本真空学会 TEL: 03-3431-4395 FAX: 03-3433-5371 E-mail: ofc-vsj@vacuum-jp.org
本件協力: 日本真空学会 講演・研究会企画委員会
担 当: 谷本育律(高エネ研),吉田 肇(産総研),中村 恵(キヤノンアネルバ),中村 健(産総研)
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