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スパッタリングおよびプラズマプロセス技術部会 平成29年度第1回勉強会

2017年11月30日 @ 14:00 - 17:00

スパッタリングおよびプラズマプロセス技術部会(SP部会)
平成29年度第1回勉強会
「薄膜堆積プロセスにおける相平衡を考える~蒸発と薄膜堆積における平衡~」

 一般社団法人日本真空学会スパッタリングおよびプラズマプロセス技術部会では,論文紹介や研究紹介により1つのテーマをラウンドテーブル方式で議論し,そのテーマを深く掘り下げて勉強していこうという主旨のもとSP部会勉強会を開催しております.
 第6回(平成29年度第1回)の勉強会を,「薄膜堆積プロセスにおける相平衡を考える~蒸発と薄膜堆積における平衡~」をテーマとして開催いたします.真空を用いた薄膜堆積プロセスであるスパッタリング薄膜堆積法は,ターゲット物質の気相への蒸発,その基板への輸送,そして基板上での薄膜堆積(凝縮・凝固)というプロセスから成ります.物質の蒸発あるいは凝固・凝縮は日常みられる現象であり,良く理解されているように思われます.しかしながら,まず,真空中における蒸発は大気圧近傍下における蒸発とは全く異なり,大気下の平衡蒸発機構はそもそも蒸発と凝縮・凝固が連続的に起きている薄膜堆積現象を説明できるものではありません.熱蒸発のみを考察の対象としても,真空中における熱蒸発は,非平衡-開放系における蒸発現象であり,その蒸発速度を,材料温度による平衡蒸気と実在蒸気圧の差のみにより説明できるものではありません.また,スパッタリング現象による蒸発(気相へのターゲット物質の移動)はいわゆる熱蒸発,あるいは蒸気圧平衡の機構で説明されるものではありません. このように真空中における蒸発-薄膜堆積現象は理解し難い現象であるにもかかわらず,「わかったつもり」になってその基礎的理解を我々はないがしろにしています.しかしながら,蒸着も含めて真空中における薄膜堆積プロセスの理解に,相平衡,物質の固相から気相への移動,さらに気相から固相への移動現象の基礎的理解あるいは考察は必須です.
 本勉強会においては,真空中における蒸発・薄膜堆積という平衡論が成り立たない現象を議論し,その難しさを理解した上で基礎的な事象を把握・理解することを目的とし,まず,我々がふだんから経験している水の相平衡を再訪し,これを再度議論した上で,平衡-閉鎖系における熱蒸発,真空中での熱蒸発,そしてスパッタリング現象における物質移動と蒸気圧の概念との関係について議論します.また,気相から気相・固相への物質の非平衡移動と基板上における非平衡表面拡散という複雑な現象を含む薄膜堆積過程についても議論します.

 

日 時
2017年11月30日(木) 14:00~17:00 (受付 13:30~)
場 所
金沢工業大学 東京事務所 会議室 (東京都港区虎ノ門3-17-1 TOKYU REIT虎ノ門ビル6階) 交通アクセス
プログラム
14:00~16:00 ラウンドテーブル勉強会
16:00~17:00 懇親会・自由討議
話題提供・コーディネーター
金沢工業大学高度材料科学研究開発センター 教授 草野 英二
参加費 (資料代・消費税を含む) 当日会場にてお支払いください.
スパッタリングおよびプラズマプロセス技術部会会員  無料
日本真空学会会員  3,000円
学生  1,000円
一般  5,000円

※人数を限っての開催となります.お申込は事前に行ってください.なお,SP部会会員を優先とさせていただきます.

申込締切
2017年11月28日(火)
申込方法
申込みは終了しました.
問合せ先
一般社団法人日本真空学会 事務局
TEL: 03-3431-4395  FAX: 03-3433-5371  E-mail: ofc-vsj@vacuum-jp.org
勉強会概要
■ 水の三態と相平衡再訪: 私たちは水の相平衡を本当に理解しているか?
■ 金属の熱蒸発速度と平衡および実在(蒸発前面)蒸気圧の差との関係とは?
■ 真空中における金属の熱蒸発速度を決める要因は?
■ スパッタリング現象における蒸発と平衡あるいは飽和蒸気圧の概念とは?
■ 薄膜堆積プロセスにおける非平衡性とは?
主な紹介予定テキスト・文献
1. 真空技術基礎講習会運営委員会 (編集),わかりやすい真空技術 第3版,日刊工業新聞社(2010)
2. Donald M.Mattox,Handbook of Physical Vapor Deposition (PVD) Processing,2nd edition,William Andrew (2010)
3. Leon I.Maissel (Author),Reinhard Glang (Author),Handbook of Thin Film Technology,1st Edition,McGraw-Hill Handbooks(1970)
4. John F.O’Hanlon,A User’s Guide to Vacuum Technology 3rd Edition,Wiley-Interscience (2003)

詳細

2017年11月30日
14:00 - 17:00
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主催者

日本真空学会