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真空夏季大学真空応用技術講座

2019年8月30日 @ 13:00 - 18:00


真空夏季大学真空応用技術講座

(真空応用技術講座のみの参加も歓迎いたします)

 半世紀にわたって開催して参りました真空夏季大学は,真空工学の基礎を系統的に学ぶことのできる場として高い評価をいただいております.しかしながら時間的制約のために,真空夏季大学のカリキュラムの中により発展的な分野・応用分野を取り入れることは困難な状況であり,会員や真空夏季大学受講生の皆様からは,応用技術分野についての講義に対するご要望をいただいておりました.
このようなご要望にお応えするため,2006年より真空応用技術講座を企画・開講して参りました.この講座では,それぞれの分野の基本の理解を深めるとともに,実践のための実力を養うことを目的として,少人数によるセミナー形式の講義を実施しております.本年度は「真空夏季大学」の終了後,下記の三講座(A,B,C)を並行して開講し,続いて90分の一講座(D)を開講いたします.

(A)「プロセスプラズマの基礎」  岡本幸雄講師(東洋大学名誉教授)
日 時: 2019年8月30日(金)13:00~16:15
 プラズマを用いた次世代のエッチングやデポジションなどのプラズマプロセスにおいては,制御された低温・高密度・高均一・大面積などの特性をもったプラズマが必要になっている.このためには,プラズマの基本的な性質をはじめその生成法や制御法および診断法などの基本的なことを理解していることが不可欠となる.本講座では,①プラズマの基本的な事柄であるプラズマの性質,デバイ長やプラズマ周波数などの基本的な物理量,電磁界中の荷電粒子の運動,イオンシース,負イオン,ラジカルについて簡単に復習するとともに,②プロセスに用いられている各種プラズマ(容量と誘導結合,電子サイクロトロン,表面波,マグネトロン,大気圧バリア放電,マイクロプラズマ)の生成原理と実際および長所と課題について,そして,③プロセスで不可欠なラジカルなどの生成・制御のための電子温度の制御法について,さらに,④ラジカルや電子のエネルギー分布などプラズマの主な計測法について解説する.
(B)「真空システム」  山川紘一郎講師(日本原子力研究開発機構)
日 時: 2019年8月30日(金)13:00~16:15
 実用真空システムにおける課題に,立上げ時間(真空排気)の短縮が挙げられる.短時間で真空排気するには水分子の挙動を理解し制御する必要がある.さらに,大気から真空環境まで試料を搬送する過程においても,水分子を考慮した真空排気が必要になる.超高真空システムでは,水分子はほぼ除去され材料内部のガス分子を排気することになる.これらの現象は吸着・吸蔵ガスの除去に関連した真空容器表面の清浄化であり,実例を挙げて紹介する.次に,真空システムの設計の具体例として,水分子を排除した場合の真空排気や超高真空装置の立上げ時の挙動などを紹介する.また,真空システムにとって漏れ対策は重要な課題である。漏れ現象と漏れ試験の概要について解説する.
(C)「圧力分布計算ソフトウェアMolflow+講習」 谷本育律講師,山本将博講師(高エネルギー加速器研究機構)
日 時: 2019年8月30日(金)13:00~16:15
 近年のパソコン性能の向上により,複雑な真空装置内での気体分子の3次元運動を高い精度で模擬することが可能となっている.本講習では,モンテカルロシミュレーションソフトウェアMolflow+を用いて,分子流領域における真空装置内の圧力分布や非円形導管コンダクタンスの計算,真空機器配置の最適化など,実際の真空装置設計に役立つ計算手法をstep-by-stepの実習形式で学ぶ。Molflow+は欧州原子核研究機構(CERN)において現在も開発が進められており,英語版のみであるがhttp://molflow.web.cern.chにてフリーウェアとして配布されている.
(受講される方は,Vista以降の64bit版WindowsのノートPCにMolflow+ ver.2.6.74以降をインストールし,ホイール付きマウスを持参の上ご参加ください.推奨環境: Windows10,メモリ容量2GB以上,画面解像度1440×900以上.企業セキュリティ等で当日ノートPCの持ち込みやUSBメモリによるデータの受け取りができない場合は事務局までご相談ください.)

 

(D)「非蒸発型ゲッターコーティング」  谷本育律講師(高エネルギー加速器研究機構)
日 時: 2019年8月30日(金)16:30~18:00
 近年主に加速器分野において,本来ガス放出源である真空容器内面に非蒸発型ゲッター(Non-Evaporable Getter, NEG)材を製膜して真空ポンプとして機能させる「NEGコーティング」が普及しつつある.NEGコーティングの施された真空容器や配管は180℃で24時間ベークすることによって表面のゲッター作用が活性になり,特にコンダクタンスの制限などで実効排気速度を高くできない真空装置の到達圧力を下げたい場合に大きな効果を発揮する.また,半導体やディスプレイなどの製造用真空装置,電子顕微鏡,光電子分光装置などの超高真空装置への応用も期待されている.本講義では,NEGコーティングの排気原理,マグネトロンスパッタによる製膜手法,NEGコーティングの性能評価方法,実際の応用例などについて解説する.

 
 これらの分野を基礎から研鑽したいと希望しておられる技術者・研究者の方々に是非ご参加いただきたく,ご案内申し上げます.真空夏季大学修了の方々には,引き続きこの応用技術講座の受講をご検討ください.また,日帰りにて応用技術講座のみを受講される方も歓迎いたします.
 

会 場
つま恋リゾート 彩の郷
〒436-0011 静岡県掛川市満水2000  TEL: 0537-24-1111  交通アクセス
受講料 (資料代・消費税込)
(A)「プロセスプラズマの基礎」,(B)「真空システム」,(C)「圧力分布計算ソフトウェアMolflow+講習」

日本表面真空学会個人正会員 12,000円
日本表面真空学会法人正会員に属する個人 15,000円
日本表面真空学会維持会員に属する個人 15,000円
日本表面真空学会賛助会員に属する個人 15,000円
真空夏季大学協賛団体会員 15,000円
日本表面真空学会学生会員 10,000円
一般 20,000円

 
(D)「非蒸発型ゲッターコーティング」

日本表面真空学会個人正会員 6,000円
日本表面真空学会法人正会員に属する個人 7,500円
日本表面真空学会維持会員に属する個人 7,500円
日本表面真空学会賛助会員に属する個人 7,500円
真空夏季大学協賛団体会員 7,500円
日本表面真空学会学生会員 5,000円
一般 10,000円
申込方法
真空応用技術講座のみを受講される方は,こちらの申し込みページからお申込みください.
真空夏季大学も受講される方は,真空夏季大学のページをご覧ください.
※お申込み完了後,受付完了メールが自動返信されます.
  受付完了メールが届かない場合は,事務局までご連絡ください.

申込受付完了後,請求書を発送しますので,お支払い手続きをお願いします.
本申込にて記入された個人情報は,公益社団法人日本表面真空学会が収集し,真空夏季大学の実施運営に利用します.本申込にて記入されたアドレス宛に今後日本表面真空学会が主催する講習会,真空技術者資格認定試験のご案内を送信させていただくことがあります.
なお,「受講者の都合による取り消し及び不参加」の場合,参加費の払い戻しはいたしません.ただし,参加者の変更は,差し支えありません.
申込締切
2019年7月25日(木)

定 員
各講義とも20名(先着順にて定員に達し次第締め切ります.)
問合せ先
公益社団法人日本表面真空学会 事務局
〒113-0033 東京都文京区本郷 5-25-16 石川ビル5階
TEL: 03-3812-0266  FAX: 03-3812-2897   E-mail: office@jvss.jp

 

詳細

2019年8月30日
13:00 - 18:00
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